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*考えよう!水産資源の有効活用
水産資源は、資源の乏しい日本にあって、極めて貴重な資源です。
水産物の漁獲高は漸減傾向にあります。
近年は、サンマやサバなど一部の魚種を除いて、かつての”不漁”が当たり前のようになってきました。
不漁の原因として最も有力なのが、乱獲です。
それもそのはずで、現在日本ではほとんどの魚種に漁獲枠がありません。
漁獲枠を設けず獲れるだけ獲ってしまおうという漁が行われている以上、
枯渇するのは目に見えています。
これは多くの魚種に当てはまります。
現在、世界の主流は個々の漁業者や漁船ごとに漁獲量を割り当てる
「IQ制度」です。
これは、保有する漁獲枠の範囲でそれぞれの漁業者が余裕を持って獲ることができるので、
乱獲防止につながるし、時期が分散するので、価格の底上げにも効果的です。
これに対して、日本は魚種ごとに漁獲可能な総量を決める
「オリンピック方式」にて行い、
各船が早獲り競争になり、若い小型魚まで獲ってしまう問題点があります。
しかも、監視や取り締まりも十分ではありません。
*エサ用幼魚ばかり漁獲する愚
東大海洋研究所の勝川助教授の研究によると、
ヨーロッパと日本の年齢別サバの漁獲比率は下記のようでした。
2歳魚までの漁獲比率(1990-2005年)
ヨーロッパ・・・・7.5%
日本・・・・・・・87%
逆に5歳以上の漁獲比率はヨーロッパが60%以上なのに対して、日本は10%以下。
(独)水産総合研究センター理事の小松正之氏はキンキの漁獲量に関して以下のように
報告しました。
1961年には1万5千トン近くであった漁獲量が2003年には1327トン
まで激減しました。
その理由は成長を待たずに体長の小さいうちに乱獲してしまうということ。
体長も1973年には平均体長17cmぐらいだったのが、1985年には12cmになり、2004年
には9cmとなりました。
キンキは10cm未満のものはほとんど価格がつきませんが20cm位になると2千円~3千円になります。
つまり3~5年待てば大幅に値段が上がるのです。
そのうえで、
「キンキの体長と単価は比例するが、現在のキンキの漁獲量の90%は体長15cm以下の小型の状態で
漁獲しており、その漁獲金額は全体の1%にしか満たない。収入にも貢献しないのに、漁獲し続けるのは
問題」と説明しました。(RIETI経済産業研究所ウェブサイト、さかなはいつまで食べられる(小松正之・筑波書房))
*資源はみんなの財産
つまりヨーロッパでは主に大人になりきった価値の高い魚を獲っているのに対し、
日本では赤ちゃんや子供の魚を多く獲っていることになります。
小さい魚は言うまでもなく価値が低く、多くは家畜や養殖魚のエサになります。
年によりますが、日本では漁獲量の約半分が人間の口に入らず、
二束三文の飼料用になるという現実があります。
魚を小さいうちにとってしまうということは、
大きくなって卵を産むべき魚を、そうなる前に獲っていることなので、
資源的ダメージも明らかです。
そして魚が獲れなくなると、さらに輪を掛けて資源の少ない、高い値段のつく魚を狙う傾向があり、
これがその魚の資源量の悪化に拍車をかけています。
日本は漁業先進国であったはずです。
にもかかわらず、世界のすう勢に遅れ、資源の膨大なムダを生み出しているのは、
目先の利益ばかりを追い求めた結果です。
これには制度の問題もあります。
自由にやらせていたら、誰でも他に獲られる前に、すぐに獲りたくなるものです。
漁業資源は国民全体の財産です。
みんなが自国の貴重な資源に興味を持って、有効に利用することを考えれば、
少しでもムダを減らしていけるのではないかと思います。
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